歯周病とは

歯周病とは

 口腔内や歯を健康に保つことは、お口から美味しく食物を食べることができる、食事や会話を楽しむことができるなど豊かな生活を送ることの基盤となります。

歯科疾患により歯を失ってしまうとお口の健康だけでなくQOL(quality of life:生活の質)が低下してしまいます。

 みなさん、8020運動というものをご存知でしょうか。 これは「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という厚生労働省と日本歯科医師会が推進している運動です。
 現在、8020運動は51.2%と半数以上の方が達成しており、歯や口腔への関心が高まってきています。
 しかし、半数近くの方は達成出来ていないのも現状です。
歯を喪失する原因には何があるのでしょうか。

 永久歯の抜歯の原因で多いのは、歯周病37.1%、虫歯29.2%、破折17.8%の順になります。
 1番多い原因は虫歯だと思っていた方も多いかも知れませんが、実は歯周病の方が歯を失う原因になることが多いのです。
 歯周病は歯を支えている組織を破壊してしまう病気ですが、そんな歯周病はどのように進行していくのか今回は説明したいと思います。
 歯周病の進行に関わる大きな原因は3つあり、その内のひとつはプラーク(歯垢)です。
よくCMなどでネバネバした白っぽいかたまりで表現されているのでイメージしやすいのではないでしょうか。
プラークは細菌の塊なのですが実は大きく分けると以下の2種類があります。

①歯肉より上につくプラーク
よくCMなどで表現されているもので、唾液の成分や食べ物を栄養源にしています。
歯磨きで取ることが出来ます。


②歯肉より下につくプラーク
空気のないところで活動しています。
歯肉の中の空気の無いところで増えて歯周病を悪化させます。
歯肉から出血した血液を栄養源にすることもあります。 歯磨きで取ることはほとんど出来ません。


これらが毒素を放出し、私たちの体はその毒素を排除しようと反応を起こします。
これが炎症反応ですが、体内に侵入した毒素や病原体が広がらないよにします。
しかしこの反応が過剰に出てしまうことで歯周組織を破壊してしまいます。
この塊が唾液や血液の無機質成分を吸って固まったものを歯石と言います。

歯石は直接的に歯茎に影響をおこしませんが、歯石はざらざらしているのでプラークががつきやすくなり、歯周病を進行させる手助けをします。


プラークや歯石は初めは歯茎の上につきますが、そのまま歯磨きなどで除去されずにいると歯茎の中にプラークが入り込み、中に入ってしまうと、歯ブラシでは除去することができず、固い歯石になってしまいます。
こうして、どんどん歯石やプラークが溜まってしまい歯周病になってしまうのです。


こうならないためにも日々の歯磨きや、定期検診をしっかり行なっていく事が大切ですね。

次回は歯周病の症状についてお話しします。